血清Na値とCl値の差について
血清NaとClの差はなにを意味するのか
血清NaとClの差は下記の式で表され、通常36となる。
Na-Cl=AG+HCO3-
AG:12±2mEq/l
HCO3-:22〜26mEq/l
Na-Cl>36
HCO3-が増加する
代謝性アルカローシスまたは呼吸性アシドーシスの腎性代償が考えられる。
AGが増加する
有機酸の増加が大部分を占めるが、アルブミン増加やアルカレミア、電解質異常なども考えられる。AGは測定されない陰イオン(UC)と陽イオン(UA)の差であり、陰イオンの増加または陽イオンの減少によりAGは増加する。
代謝性アシドーシスがある場合は、HCO3-が減少し血清NaとClの差は変化しない。
(AGが増加していても代謝性アシドーシスをきたさない場合がある)
Na-Cl<36
HCO3-が減少する
高Cl性代謝性アシドーシスや呼吸性アルカローシスの腎性代償が考えられる。
AGが減少する
アルブミンの低下、K・Ca・Mg・Li・Brの上昇が考えられる。