夜寝る時に咳が出るのはなぜか?
咳反射について
咳反射は肺・気道の異物刺激が咳受容体を刺激し、迷走神経求心路により延髄の咳中枢に伝達された後、遠心性線維により、声門の閉鎖、呼気に関連した筋肉の急激な収縮が起こることで咳となる。
夜寝る時に咳が出る理由
副交感神経が活発になるため
交感神経のβ受容体への作用で気道は拡張するが、反対に副交感神経が活発になると筋肉がゆるみ気道が狭窄する。
鼻水などが気道に流れこむため
あおむけになり寝ていると鼻水が気道に流れこみ、これが刺激となって咳が出ることがある。後鼻漏の一つの症状といえる。
咳喘息がある
咳喘息とは、喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽を唯一の症状とし、気道過敏性の亢進、気管支拡張薬が有効であることを特徴とする喘息の亜型である。(咳だけの喘息のこと)
夜間、就寝時、早朝に悪化しやすい。(副交感神経の作用による)似た症状を示すものにアトピー咳嗽があるが、こちらはアトピー素因を認め、気道過敏性亢進はなく咳受容体感受性亢進がみられることが特徴である。
アレルギー反応のため
布団についているダニなどのアレルギー反応で、咳がでることがある。症状が夜のみの場合、寝具に原因があることも考えられる。
ちなみに、咳といっても様々な原因があり、その原因に応じた対策、治療が必要である。発症から短い期間であれば様子を見て軽快することが多いが、3週間以上咳が続くようであれば専門機関を受診する必要がある。中枢性の鎮咳薬は必要な咳も止めてしまう可能性があり、注意して使用すべきである。