本当にただの備忘録

気が付いたことを書き留めておきます。モタリケ。

ヨーグルトの蓋の裏にヨーグルトはつかない

ヨーグルトの蓋の裏にヨーグルトはつくが、すぐに容器の中へと滑り落ちてゆく。この仕組みは、ロータス効果といい蓮の葉をもとに開発された。この様に生物がもつ構造や機能を参考にすることをバイオミメティクスという。

ヨーグルトがくっつかない原理

はじくということ

ぬれるまたははじくことを定量的に表す方法として、接触角がある。接触角が180°に近づくほど水滴は丸くなりはじくことになる。
接触角は液体の性質と固体の性質により決まる。性質は、表面張力(表面自由エネルギー)がどれくらいであるかに関係する。液体であればどれだけ球体になろうとするか、固体であればどれだけ他の物質と吸着、付着するかということだと考えられる。

ヨーグルトをはじくには

液体の性質を変えることなく、はじくためには固体の性質を変えなければならない。特に表面の形状は重要で、蓮の葉ではワックスに覆われた微細な突起が密に存在している。このことにより、空洞に空気が入り表面と液滴の境界面を減らし、液滴を球状にすることで高い撥水性を得ている。
ヨーグルトの蓋の裏では、表層に物理化学的な処理を行うことで、蓮の葉の表面と同様な構造を形成し、ヨーグルトをはじいている。

参照
界面科学の基礎
http://www.fia-sims.com/p40-interface-science.html
トーヤルロータス
http://www.toyal.co.jp/tech_report/pdf/haku_processed/tr_hkp2012_010.pdf
葉の表面構造と撥水性の発現機構
http://bsj.or.jp/jpn/general/BSJ_Review6B_102-111.pdf

さわやかのハンバーグはレアで大丈夫なのか?

さわやかとは主にハンバーグを食べるところである。このハンバーグは半分に切った時に中身が赤い状態で提供される。
ステーキならまだしも、ミンチされた肉を用いるハンバーグをレアで食べて大丈夫なのか。

牛肉の生食について

一般に牛肉の生食を行うことは、腸管出血性大腸菌O-157など)の感染のリスクがあり、特に小児や高齢者は溶血性尿毒素症候群(HUS)を続発し死亡する例もある。平成23年に発生した食中毒事件を契機とし規格基準が策定された。

生食用食肉(牛肉)の規格基準における主な規制の内容としては、
1 腸内細菌科菌群が陰性でなければならないこと
2 加工及び調理は、専用の設備を備えた衛生的な場所で、専用の器具を用い て行わなければならないこと
3 肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60°Cで2分間以上加熱する方 法又はこれと同等以上の効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない こと
4 加工及び調理は、生食用食肉(牛肉)の安全性確保に必要な知識を習得し た者が行わなければならないこと
などが規定されています。

http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/110928_01.pdf

さわやかの取組み

さわやかのホームページによると安心・安全への取組みということで、上記の規格基準を満たしていると考えられる記述がある。
さわやか ホームページ
http://www.genkotsu-hb.com/sp/

牛肉が汚染されるのは屠殺の際に消化管に存在した菌が付着するためであり、新鮮なものであれば牛肉の内部は比較的安全である。
通常のハンバーグはミンチの際に表面に付着していた菌が全体へ散らばるので内部まで火を通す必要があるが、さわやかでは表面を焼き、さらに衛生管理のなされた場所で加工するため、生食可能なレベルのハンバーグを提供することが出来る。

ちなみに、馬肉は菌や寄生虫の影響が少なく管理もなされているので馬刺しとして提供されるが、豚や鶏の生食は危険である。

血清Na値とCl値の差について

血清NaとClの差はなにを意味するのか

 

血清NaとClの差は下記の式で表され、通常36となる。

Na-Cl=AG+HCO3-

AG:12±2mEq/l

HCO3-:22〜26mEq/l

 

Na-Cl>36

HCO3-が増加する

代謝性アルカローシスまたは呼吸性アシドーシスの腎性代償が考えられる。

AGが増加する

有機酸の増加が大部分を占めるが、アルブミン増加やアルカレミア、電解質異常なども考えられる。AGは測定されない陰イオン(UC)と陽イオンUA)の差であり、陰イオンの増加または陽イオンの減少によりAGは増加する。

代謝性アシドーシスがある場合は、HCO3-が減少し血清NaとClの差は変化しない。

(AGが増加していても代謝性アシドーシスをきたさない場合がある)

 

Na-Cl<36

HCO3-が減少する

高Cl性代謝性アシドーシスや呼吸性アルカローシスの腎性代償が考えられる。

AGが減少する

アルブミンの低下、K・Ca・Mg・Li・Brの上昇が考えられる。

 

 

 

 

 

 

ポリオの症状と障害部位

ポリオとは

ポリオ(急性灰白質炎)は、ポリオウイルスが脊髄神経前角の運動神経核を侵すことで四肢を中心に弛緩性麻痺を起こす急性ウイルス感染症である。

 

感染者の90%以上は不顕性感染症で症状は無く、5%程度が感冒様症状、1%程度が無菌性髄膜炎となる。

 

症状

麻痺型は、ポリオ全体の感染の約0.1%とされる。数日の発熱に伴って背部痛、頸部硬直を主とした髄膜炎症状が現れ、解熱に前後して急性の弛緩性麻痺が四肢を中心に出現する。麻痺型患者の約50%が筋拘縮や運動障害などの後遺症を残す。球麻痺を合併し、呼吸不全により死亡することもある。

 

障害部位

ポリオウイルスは、経口より感染し、リンパ節や小腸で増殖した後、ウイルス血症を起こし、親和性のある中枢神経組織を侵す。この時、最も障害されやすいのが脊髄前角細胞でこのことが典型的な麻痺を起こす原因となる。

 

ポリオ後症候群(PPS)

ポリオに罹患して10年以上の安定した時期を経た後、筋萎縮、筋力低下、疲労、息切れなどの新たな身体所見が出現することがあり、これをポリオ後症候群と呼ぶ。ポリオ感染後は前角細胞の減少を他の前角細胞や筋肉が代償している状態であり、加齢とも重なることで、筋や神経に過剰な負荷がかかり二次性に症状が出現すると考えられる。